MCJ株式会社様のこれまでの歩みについて教えてください
MCJとは「マンハッタン・センター・ジャパン」の略です。
「マンハッタン・センター」とはアメリカ・マンハッタンのど真ん中にあるライブ会場兼マルチメディアスタジオのことで、有名なアーティストたちのライブをし、マルティメディア制作ができる施設のことです。
そこのオーナーが、日本でもスタジオを作りたいということで弊社が創業されました。残念ながらオーナーが亡くなってしまい遺族から私に「経営をしてくれ」とお願いされて以降、細々とさせていただいております。
2005年設立なので、今が14期目です。私自身は2009年に入社し、そこから今まで、経営に携わっています。
最初はレコーディングスタジオが事業のベースでしたが、徐々に音響を中心としたイベント業に変わっていき、今は一通りの制作業務をさせていただいています。
これまで会社を経営してきて、大変だと感じたことはありますか?
経営自体が大変ですね。自分自身の営業や業務もありますが、税務や財務、法務などいわゆる経営業務をこなさなければいけないのは当然ですが、私自身が大学卒業後、ずっと海外にいたので、日本の社会常識がわからないなか、帰国して間もなく経営者になったので色々と大変でした。
社員とのコミュニケーションもそうでしたし、お客様との関係もそうでした。やはり日本の社会のルールやマナーが解らなくて、色々と周りに迷惑をかけたと思います。
やはり空気を読んでいなかったりですとか、読んでいるつもりでも読み方が違っていたりということも多々ありました。
自分としては、とても日本人的だと思っていたのですが、周りの人からはそうは思われていなくて・・・。
見た目も名前も日本人、ただ感覚が日本人ではないので、ちょっと周りの人に戸惑われるというのはありますけど、今はそれがキャラになって、強みになっているかもしれません。
今も海外の業者やタレントさんと関わる仕事をしていますが、会ったことがない人でもフランクな話し方でやり取りすることが多いです。
日本の「○○様」という相手を呼ぶ文化に全然なじめず、日本では話し方や名刺の渡し方が必要以上に丁寧な気がして、メールの書き方もそこまでかしこまらなければいけないのかと・・・意味が解らなかったですね。
日本人は“礼節”を美徳にしているところがありますからね
礼節は間違いなく美徳だとは思います。それが悪いとも思っていません。しかし、それで失っているものもあるように感じます。郷に入れば郷に従うべきですが、国や環境によって礼節の表現の仕方が違うので、その切り替えが難しいですね。
確かに、海外に慣れてしまうと日本の風習は違和感を感じるかもしれませんね
そうですね。
でも、そこははき違えないように気を付けながら、上手く格式の中でフレンドリーさをつくるというのが、私の個性なのではないかと思っています。
「MCJ株式会社様」の理念について教えてください
当社の名刺には「stage your dream」というスローガンを付けています。
「stage」とは舞台という意味ですが、動詞になると「上演する」「演出する」という意味になります。
弊社は舞台に携わることが多いのですが、ただ業務として舞台制作をこなすというよりは、お客様のまだ形になっていない夢というか理想というか「ああいうものを作りたい、こういうものを作りたい」と言う構想を舞台の上で目に見えるように形にするお手伝いをしたいと考えています。
「MCJ株式会社様」の強みについて教えてください
当社の強みは、“海外との絡み”ができるところと社員一人一人が独自の専門分野を持っているところだと思います。
英語や韓国語に強いので「※UNIVERSAL BALLET(ユニバーサル・バレエ)」やK-POPなど韓国のアーティストや海外の案件を多く扱ってきました。中国語やスペイン語ができるスタッフもおり、海外の方々がこちらに来て公演をするインバンドおよび国内のクライアント様が海外で上演をするアウトバンドなど両方対応できます。
多くの業務に関わる中で、言語だけではなく、“言語でないコミュニケーション”の重要さに気が付きました。言葉が正しく翻訳されていたとしても、その行間で失われているニュアンス、また言葉自体から連想するものが違ったり、同じ言葉を使っていても違うものをさしたりなど、様々な行き違いが生じたりします。
そういった認識の違いを察知し、解除するには経験も必要ですし、先ほどお話ししたフレンドリーさですとか、色々なコミュニケーション能力などが必要となります。
外国人といっても、欧米人のみでなく、アフリカ人、東南アジア、韓国、中国の方々と日本人のコミュニケーションの仕方は、それぞれ様々な違いがあり、それによってお互い良かれと思って話したことが、知らない間に認識がずれて、関係がギクシャクすることがあることは珍しくありません。
そういう民族や文化が違う人たちのコミュニケーションのずれに気づき、未然に問題を解決できるのが、当社の強みなのではないかと思います。
※韓国トップの民間バレエ団
文化が違うもの同士をつなげるというイメージですね
そうですね。当事者同士の会話の中、お互いに通じ合っていると認識していながらも、すれ違っているのに気づいてないな、といったところを指摘して差し上げられる能力に関しては自信がありますね。
今後、会社として取り組んでいきたい事などありましたら教えてください
イベントだけではなく、全般的な広報制作をクリエイティブにかつワンストップで提供できるような会社になっていきたいです。
当社には優秀なデザイナーもいれば、経験豊富なイベントプロデューサーもいます。また、優れた音響エンジニアも在籍しています。映像制作から翻訳など、1人1人の専門分野をもっている者が集まった会社です。
イベント制作のみならず、イベントを手掛けようとしている方々に企画の仕方などをコンサルティングし、より効率的に理想に近いイベントができるようお手伝いさせていただきたいです。
いうなれば“国境を越えたクリエイター集団”というイメージなのですね
そうですね。また、海外アーティストの招請ビザ取得が経験豊富という強みもあります。海外のアーティストを日本に招請したい場合は、お力になれると思います。
また、通訳は多くても、舞台制作や公演運営の分野で英語や韓国語ができるという業者はほかにはいないと思います。